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砂漠のオアシス(チュニジア)。
水は「最良の飲み物」とされます

 イスラームの断食には、義務の断食と任意の断食があります。日中の飲食を完全に断つ断食は厳しい行と思われがちですが、「心が引き締まり、体が軽くなる。健康にもとてもいいのです」と言って、任意の断食をたくさんする人もいます。

 イスラーム暦9月のラマダーンの断食は、健康な成人の信徒の義務で、いわゆる「5行(5つの基柱となる信仰行為)」の3番目にあたっています。

 断食の目的は、第一に、大事な信仰行為ということです。イスラームでは、単に心で信じているというだけではなく、具体的に「神への信仰」を表す行為をすることを尊びます。断食は、そのような大事な行為の1つなのです。

 第二に、同胞愛のため、食べ物や飲み物がなくて辛い状態を体験し、貧しい人や困っている人への共感を養うことが目的とされます。そして、その大変さがわかったら、貧しい人を助けなさい、と教えられます。だから、断食を破るときは、貧しい人に食べ物を分けて、一緒に食べるのがこの上ない善行とされるのです。

関連項目

ザカート・アル=マール(定めの喜捨)
ザカート・アル=フィトル(断食明けのザカート)
サダカ

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